太陽光パネルを撤去する前は、電力関連の連絡が必要です。ただし、連絡先は1社とは限りません。売電契約、系統・計器、FIT/FIP認定を別の手続きとして確認します。
最初に、契約書や買取明細から現在の売電先と設備IDを確認してください。そのうえで撤去業者に、一般送配電事業者への申込みや廃止届を誰が担当するか、工事日を決める前に確認します。
自分で確認してよいのは、室内の書類や地上から見える計器番号など、設備に触れない範囲です。屋根、配線、接続箱、パワーコンディショナーには触れず、破損や露出した配線が見える場合は近づかずに施工店や電気工事業者へ伝えましょう。
太陽光撤去前の連絡先は1社ではない
太陽光パネルは、屋根に載っているだけの機器ではありません。売電契約、電力系統、国の認定、物理的な撤去が関係するため、まず4つの担当を分けると手続きの抜けを防げます。
| 確認先 | 役割 | 主な確認 | 主担当 |
|---|---|---|---|
| 売電・買取契約先 | 売電契約 | 解約日・最終精算 | 設備所有者 |
| 一般送配電事業者 | 系統・計器 | 受電廃止・計器対応 | 電気工事業者等 |
| 再エネ電子申請等 | FIT/FIP認定 | 廃止届・添付資料 | 設備所有者・代理人 |
| 撤去工事業者 | 撤去・補修・処分 | 工法・写真・記録 | 施工業者 |
契約先と一般送配電事業者が同じ企業グループでも、受付窓口や申込経路が同じとは限りません。請求書や買取明細にある事業者名を確認し、撤去業者にも地域の申込方法を確認します。

撤去前に自分でそろえる6つの情報
問い合わせの前に、触らず確認できる情報をまとめます。すべてそろわなくても、分かる範囲を一覧にすれば、施工店や契約先が次に必要な確認を案内しやすくなります。
- 売電・買取契約書、直近の買取明細
- FIT/FIPの認定通知、設備ID、登録者ID
- 設置時の見積書、図面、保証書、機器一覧
- 地上から安全に撮れる計器番号と設備全景の写真
- 補助金の交付決定通知や財産処分の案内
- 撤去理由、希望時期、建物解体・屋根工事の予定
設備IDが分からないときは、設置時の施工店や現在の買取契約先へ確認します。再エネ電子申請のログインID照会が必要になる場合もあるため、所有者名義や設置住所も整理しておきましょう。
一方、次の確認は所有者自身で行わないでください。ブレーカーを切るだけでは、パネル側の無電圧確認にはなりません。
- 屋根へ上がってパネルや架台を確認する
- 配線、接続箱、パワーコンディショナーを開ける
- 電力メーターや引込線を外す
太陽光撤去の手続きは6ステップ
安全な順番は、工事だけを先に予約しないことです。契約・系統・認定の確認を並行して進めます。申込経路は地域や設備区分で異なるため、次の流れを基本に担当を調整します。
パネルだけか、架台・パワコン・配線まで含む完全撤去かを施工業者へ伝えます。建物解体や屋根葺き替えの予定も共有します。
売電解約、系統・計器の申込み、認定廃止、写真、処分記録を誰が担当するか書面で確認します。代行範囲と所有者が行う作業を分けます。
現在の買取契約先へ終了方法を確認し、一般送配電事業者への受電廃止や計器対応の申込経路を確認します。日程に余裕を持って進めます。
FIT/FIP認定設備は、撤去・処分の前に廃止届出を始めます。工事後に追加する写真や処分資料があるため、撮影と書類受領の担当も決めます。
有資格者が系統からの切り離しを確認し、施工計画に沿って撤去します。パネルは切り離し後も日照で発電するため、電気の知識と経験がある作業者に任せます。
工事写真、処分記録、屋根補修を確認し、廃止届へ必要資料を追加します。売電契約の終了日と計器・引込線の最終状態も確認します。
資源エネルギー庁は、認定発電設備を撤去・処分する際は、あらかじめ廃止を届け出るよう案内しています。設置後の廃止では、準備できた段階で添付資料を追加します。
連絡しないまま撤去すると起きる3つの問題
系統切り離し前の着工は安全確認が不足する
家庭のブレーカーやパワコンを停止しても、パネルは日照を受けると直流電気を発生します。系統との切り離し、回路の遮断、絶縁処理は、資格と知識のある作業者が確認する工程です。
電力関連の申込みが未確認のままでは、施工業者が予定どおり着工できない場合もあります。工事日より先に、申込経路と切り離し方法を確認してください。
FIT/FIP認定の廃止手続きが残る
売電契約を終了しても、国のFIT/FIP認定が自動的に廃止されるとは限りません。認定設備を撤去・処分する場合は、売電先への連絡とは別に廃止届出を確認します。
現行マニュアルでは、設置済み設備の撤去前・工事中・撤去後の写真や、廃棄時の処分記録などが添付対象です。工事が終わってから写真不足に気づかないよう、着工前に施工業者へ依頼します。
売電契約と計器の扱いが未確認になる
買取契約の終了日や最終精算を確認しなければ、工事後も契約上の確認が残ります。また、計器や引込線を撤去・交換・残置するかは、建物の電気利用と設備構成によって異なります。
電力メーターは所有者が外す設備ではありません。一般送配電事業者または申込みを担当する電気工事業者へ、対応内容と費用負担の有無を個別に確認しましょう。
工事後に確認する書類と設備
撤去工事が終わっても、パネルがなくなったことだけで完了とは判断できません。行政手続き、屋根の引渡し、売電契約、計器の状態は、受け取った資料と現場写真で確認します。
- 撤去前・工事中・撤去後の写真
- 処分先と引渡しを確認できる記録
- 固定金具跡、防水、屋根補修の完了内容
- 売電契約の終了日と最終精算の扱い
- 計器・引込線・屋内設備の最終状態
業者が撤去したパネルや架台などは、原則として産業廃棄物として処理されます。契約時に、処理を誰の名義で進めるのか、どの記録を受け取れるのかを業者へ確認してください。

完了確認書へ署名する前は、契約で決めた撤去範囲、屋根補修、写真、残置設備を照合します。口頭説明だけで済ませず、相違があれば署名前に記録を残して施工業者へ確認しましょう。
太陽光撤去の電力・FIT手続きで迷いやすい質問
FITの買取期間が終わっていても廃止届は必要ですか?
買取期間の満了と、認定設備の撤去・処分は別です。認定状況を確認し、対象設備なら再エネ電子申請の現行案内に沿って廃止手続きを進めます。
設備IDや設置時の書類が分からない場合は?
買取明細や契約書を探し、設置時の施工店や現在の買取契約先へ確認します。登録者IDも不明なら、再エネ電子申請で案内される照会手続きを確認してください。
撤去業者に任せれば所有者からの連絡は不要ですか?
代行範囲は業者との契約によって異なります。所有者本人の確認や委任状が必要な手続きもあるため、契約・系統・認定・写真・処分記録の担当を着工前に書面で確認します。
まとめ|工事日を決める前に3つの手続きを確認する
太陽光撤去前の連絡は、1社へ電話して終わるものではありません。売電契約、系統・計器、FIT/FIP認定を分け、撤去業者と担当を決めてから工事日を調整します。
まずは契約書、買取明細、設備ID、計器番号、設置資料を手元へ集めてください。屋根や電気設備には触れず、申込経路、工事写真、処分記録、工事後の確認までを担当表にすれば、手続きの抜けを防ぎやすくなります。

