撤去後の盲点!太陽熱温水器も見つかった場合の「同時撤去」で損をしない考え方

太陽光パネルの撤去を検討していて、いざ屋根を見てもらったら「実は太陽熱温水器も残っていますね」と指摘されるケースが増えています。

太陽光と太陽熱温水器では設置された時期がまったく異なり、太陽熱温水器のほうが20〜30年以上前の設備であることも珍しくありません。使っていないまま放置されている家庭も多く、撤去のタイミングを逃してきた方も多いのではないでしょうか。

そこで浮上するのが「同時撤去」という選択肢です。

この記事では、太陽光パネルと太陽熱温水器をまとめて撤去する際の考え方と、損をしないための判断軸を整理します。

なぜ太陽光撤去時に太陽熱温水器も問題になるのか

太陽光パネルは2012年の固定価格買取制度以降に普及したのに対し、太陽熱温水器は1980〜90年代にかけて広く設置されました。つまり、太陽光パネルを撤去する時期には、太陽熱温水器はすでに老朽化している可能性が高いのです。

さらに、太陽熱温水器は構造上のリスクも無視できません。

満水時には数百kgの重量が一点に集中し、屋根への負担は太陽光パネルとは比較にならないほど大きくなります。不使用のまま放置していても、台風や地震時の落下リスク、配管からの漏水、防水材の劣化といった問題が潜在的に残り続けます。

環境省や経済産業省のガイドラインでも、適正な撤去・処理が強く求められる流れになっており、放置し続けることが難しい環境に変わってきています。

同時撤去で得する人、損する人の分かれ道

太陽光パネルと太陽熱温水器を同時に撤去する最大のメリットは、足場やクレーン、運搬費用を共有できることです。

一般的に、撤去費用の大半は仮設費と処分費が占めており、これらをまとめることで手間も総コストも抑えられる可能性があります。

一方でデメリットもあります。

まず、一時的な出費が増える点です。太陽光だけなら先送りできた費用を前倒しで支払うことになります。

また、太陽熱温水器がまだ使える状態であれば、撤去によって再利用の機会を失うことにもなります。

ただし注意したいのは、「同時撤去=必ず安くなる」とは限らない点です。

業者によっては、セット割と称して割高な見積もりを出すケースもあるため、内訳を明示した相見積もりは必須です。

判断を左右する3つのポイント

同時撤去すべきかどうかは、以下の3つの軸で整理すると判断しやすくなります。

判断軸同時撤去が有利個別撤去でもよい
屋根の今後数年以内に葺き替え予定当分は屋根工事なし
設備の状態完全不使用・老朽化一部利用中・状態良好
資産計画売却・相続予定あり長期居住予定

将来の屋根工事予定がある場合、同時撤去の合理性は高まります。

屋根の葺き替えや塗装をする際には、設備を一度撤去して再設置する必要があり、二重に費用がかかってしまうためです。

安全性とリスク許容度も重要です。

台風や地震が多い地域で、太陽熱温水器が著しく劣化しているなら、早期撤去が安心材料になります。一方で、まだ一部でも利用していて設備の状態が良好なら、安全確認の上で残置する選択肢もあり得ます。

売却や相続の予定がある場合、撤去記録を残しておくことが資産評価の安心材料になります。

住宅インスペクションでは屋根上設備の状態も確認されるため、責任を明確にしておくメリットは小さくありません。

見落としがちな注意点

太陽熱温水器の撤去では、法令上の処理義務があることを忘れてはいけません。

廃棄物処理法やアスベスト規制の対象になる場合があり、不適正な処理は所有者の責任が問われる可能性があります。業者任せにしても、法的には免責されないケースもあるため注意が必要です。

業者選定では、許可の有無と内訳明示を必ず確認しましょう。

不法投棄や手抜き工事の事例も指摘されており、極端に安い見積もりには警戒が必要です。複数の業者から見積もりを取り、足場費・撤去工賃・産廃処分費といった項目が明確に記載されているかをチェックしてください。

工期については、一般住宅なら1〜数日程度で完了することが多いものの、天候や現場条件によって延びることもあります。同時撤去なら生活への影響を1回に集約できる点もメリットの一つです。

まとめ:放置リスクと将来コストで最終判断を。

太陽光パネルの撤去を検討する際、屋根に太陽熱温水器が残っていれば「同時撤去」は現実的な選択肢です。

足場や運搬費用を共有できるメリットは大きい一方で、すべてのケースで有利とは限りません。

屋根の今後の計画、設備の状態、資産計画という3つの軸で整理し、相見積もりを取った上で判断することが、損をしないための鉄則です。

放置リスクと将来コストを天秤にかけ、ご自身の状況に合った選択をしてください。