台風や雹、飛来物の衝突などで太陽光パネルが割れた場合、感電・火災・ガラス片の飛散という3つの重大リスクが同時に発生します。
一般的に、パネルは日中であれば破損していても発電を続けており、直流電流が流れた状態です。ブレーカーを落としても直流側は帯電したままのため、安易に触ると感電する危険があります。
この記事では、割れた太陽光パネルを発見した際の正しい対応手順と、絶対に避けるべき行動を整理してお伝えします。
もくじ
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なぜ太陽光パネルは割れるのか
太陽光パネルが割れる主な原因は以下の3つです。
1. 自然災害や飛来物による衝撃
強風で飛んできた物体、大粒の雹、積雪荷重などが想定以上の力でガラス面に加わると、破損が起こります。メーカーの試験条件を超える災害では破損率が上がることが報告されています。
2. 施工不良や設計ミス
取り付け金具(クランプ)の位置ずれや締め付け不良があると、数年後に時間差で割れが顕在化する場合があります。設置直後は問題なくても、残留応力が徐々に破断を誘発することがあるのです。
3. 経年劣化
長期間の使用により、フレームの腐食や熱応力の蓄積が進み、支持構造が弱くなります。外観上は軽微でも、内部で絶縁性能が低下している可能性があります。
割れたパネルが持つ3つの危険
電気的危険:感電・漏電・火災
破損部分から水分が侵入すると絶縁性能が低下し、感電リスクが高まります。また、割れた箇所に電流が集中する「ホットスポット」が発生すると、発熱から火災に至るケースも報告されています。
国立再生可能エネルギー研究所(NREL)や消防安全研究機関の資料では、日中はパネルに光が当たる限り発電し続けるため、ブレーカー遮断後も直流側は帯電していると明記されています。
機械的危険:ガラス片の落下と脱落
割れたガラス面は風や振動で剥がれ落ちる可能性があります。特に屋根に設置している場合、屋根直下や風下側は立入禁止範囲として扱う必要があります。
パネル全体の剛性が低下すると、強風時に架台ごと脱落するリスクもあります。
経済的損失:出力低下と被害拡大
放置すると破損箇所から腐食が進み、発電出力が低下します。さらに、1枚の不具合が同じ回路(ストリング)全体に影響を及ぼし、システム全体の性能低下につながることもあります。
発見したらまず何をすべきか?3ステップで解説
ステップ1|近づかず、触らず、水をかけない
消防機関や研究機関の安全ガイドでは、「近づかない・触らない・水をかけない」が鉄則とされています。
濡れた手や金属製の工具での接触は特に危険です。また、破損部に散水すると感電リスクが高まります。屋根直下だけでなく、隣地側への立入も避けてください。
ステップ2|状況に応じた連絡先を選ぶ
- 煙や焦げ臭いにおいがある場合
→ 消防(119番) - それ以外の破損
→ 設置業者、またはメーカーのサポート窓口、保険会社
連絡時には、破損箇所の写真(安全な距離から撮影)や設置時の書類があるとスムーズです。
ステップ3|応急措置は専門家に任せる
「とりあえず養生テープで覆っておこう」といった善意の応急処置は、感電・墜落事故のリスクがあるため推奨されません。屋根上での作業は高所作業に該当し、一般の方が行うには危険が大きすぎます。
絶対にやってはいけない5つの行為
| NG行為 | 理由 |
|---|---|
| 破損部に素手で触る | 感電リスク、鋭利なガラス片による切創 |
| 水をかける・濡れた布で拭く | 絶縁低下による感電、アーク発生の可能性 |
| 屋根に登って確認・片付け | 墜落・踏み抜き事故、高所での感電 |
| 金属工具での作業 | 電流が工具を通じて体に流れる |
| 無断で撤去・処分する | 保険申請や保証対応に必要な証拠が失われる |
特に注意すべきは、記録前の撤去です。破損状況の写真や現物がないと、保険会社や保証制度での損害認定が困難になります。
修理・交換の判断はどうする?
すぐに対応すべきケース
- ガラス面に大きな亀裂や欠損がある
- パネルが傾いたり浮いたりしている
- 焦げ跡や変色が見られる
- 絶縁抵抗が低下している(専門業者による測定)
これらは安全リスクが高く、放置すると重大事故につながる可能性があります。軽微に見えても進行性の破損である場合があるため、専門家の診断が必要です。
処分はどうする?
使用済みの太陽光パネルは産業廃棄物扱いとなり、家庭ゴミとして出すことはできません。太陽光発電協会(JPEA)のガイドラインでは、専門ルートでの適正処理が明示されています。
処分費用は枚数・足場の有無・運搬距離などで変動しますが、安全を最優先に、必ず設置業者や専門業者に相談してください。
まとめ:「触らない」が命を守る第一歩
太陽光パネルが割れたら、近づかず・触らず・水をかけない。この3原則を守り、まずは安全確保を最優先にしてください。
日中は破損していても発電を続けているため、見た目以上に危険です。善意の応急処置や自己判断での片付けは、感電・墜落・火災といった二次災害を招く可能性があります。
発見したら速やかに設置業者や保険会社に連絡し、専門家の指示に従いましょう。記録を残すことも、その後の対応をスムーズに進めるために重要です。

