太陽光パネルを設置している屋根から雨漏りが発生した場合、「パネルを撤去すべきか」「そのまま屋根修理を優先すべきか」という判断に迷う方は少なくありません。
判断を誤ると、無駄な費用がかかるだけでなく、雨漏りの再発や建物の劣化を招く恐れがあります。
この記事では、原因の特定と工事の効率を軸に、後悔しないための緊急判断の考え方を解説します。
もくじ
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雨漏りの正体と放置してはいけない理由
太陽光パネル起因の雨漏りで最も多いのが、設置時の屋根貫通部における防水不良です。
架台を固定するビス穴、支持金具の取り付け部、配線を通す貫通部などで防水処理が不十分だと、そこから雨水が侵入します。国土交通省の資料や業界ガイドラインでも、こうした施工不良による雨漏り事例が多数報告されています。
問題なのは、放置による二次被害の深刻さです。
雨水は野地板を腐らせ、カビを発生させ、最悪の場合は漏電や火災事故につながります。公的機関の事故資料でも、電気設備への漏水による重大事故が報告されており、初期症状が軽微でも内部で劣化が進行している可能性があります。
撤去と修理、それぞれの特徴を整理
太陽光パネルを撤去する場合
撤去は雨漏りの原因そのものを取り除く方法として有効です。
ただし、パネルを外しただけでは雨漏りは止まりません。ビス穴や金具の跡が屋根に残るため、必ず屋根補修とセットで行う必要があります。一方で、発電による売電メリットは完全に失われます。
撤去費用の目安は住宅用で10〜15万円程度ですが、屋根工事費は別途必要です。
太陽光パネルを残して修理する場合(脱着工法)
パネルを一時的に外して屋根を修理し、再び設置する方法です。
発電を継続できる点がメリットですが、脱着・再設置の工程が加わるため工事が複雑になり、再発リスクが残るケースもあります。また、再設置後の保証条件が厳しくなる場合もあるため、事前確認が欠かせません。
どちらを選ぶべきか?判断の軸
以下の比較表を参考に、状況を整理してください。
| 判断軸 | 撤去を選ぶケース | 脱着修理を選ぶケース |
|---|---|---|
| 屋根の状態 | 屋根の寿命が近い・広範囲の劣化 | 部分補修で対応可能 |
| パネルの状態 | パネルも劣化・保証切れ | パネルはまだ使える |
| 発電メリット | 売電価格が低い・必要性低 | 発電継続の価値がある |
| 予算 | 長期的コスト重視 | 初期費用を抑えたい |
メーカーによると、屋根寿命とパネル寿命の長短関係が最も重要な判断軸とされています。屋根の葺き替え時期が近いなら撤去、パネルがまだ十分使えて屋根も部分補修で済むなら脱着修理が合理的です。
保証期間の有無で初動が180度変わる
実は、撤去か修理かを判断する前に確認すべき最重要ポイントがあります。それが保証の有無です。
新築一体設置・保証期間内の場合
瑕疵保険や長期雨漏り保証が適用できる可能性があります。
この場合、保証窓口への相談が最優先です。他の業者に工事を依頼すると、保証が失効するリスクがあるため、自己判断は禁物です。保険法人の公式見解でも、保証内容の確認が第一歩とされています。
後付け設置・保証切れの場合
施工瑕疵と経年劣化の責任が不明確になりやすく、対応が遅れがちです。
まずは信頼できる業者による屋根診断を受け、撤去と脱着修理の見積もりを比較検討しましょう。火災保険が適用できるケースもあるため、保険内容の確認も並行して進めてください。
まとめ:緊急時こそ冷静な判断を
太陽光パネルで雨漏りが発生したら、まず以下の手順で動きましょう。
- 保証期間・保険適用の確認
- 専門業者による原因特定
- 屋根とパネルの状態診断
- 撤去・修理の比較検討
「とりあえず撤去」「とりあえず修理」という判断は、後悔のもとです。
雨漏りは建物と健康、そして電気設備の安全に関わる緊急事態です。焦らず、正しい順序で情報を整理し、専門家の助言を受けながら最適な選択をしてください。

