太陽光パネルを取り外す際、多くの方が「撤去工事を依頼すれば、すべて終わり」と考えがちです。
しかし実際には、撤去と廃棄は全く別の工程であり、見積もりに「廃棄費用が含まれていなかった」というトラブルが後を絶ちません。
この記事では、撤去と廃棄の決定的な違いと、それぞれにかかる費用・手続きについて、わかりやすく解説します。
もくじ
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「撤去」は「廃棄」ではない!混同すると危険な2つの工程
太陽光パネルの処理には、大きく分けて2つの段階があります。
撤去|屋根や架台から物理的に取り外す工事
撤去とは、屋根に設置されたパネル、架台、配線、パワーコンディショナーなどを物理的に取り外す作業を指します。
一般的に、撤去工事には以下が含まれます。
- パネル本体の取り外し
- 架台・配線の撤去
- 屋根の穴埋め・防水処理(業者により別料金の場合あり)
つまり撤去は、あくまで設備を外す工事であり、取り外した後の処理は含まれていません。
廃棄|産業廃棄物として適正に処分する
一方、廃棄は取り外したパネルを産業廃棄物として処理する工程です。
使用済み太陽光パネルは、廃棄物処理法上、産業廃棄物に分類されるため、一般ごみとして捨てることはできません。
適正な処理には、以下が必要です。
- 産廃処理業者への引き渡し
- マニフェスト(産業廃棄物管理票)の管理
- リサイクル処理または適正な埋立処分
撤去業者が必ずしも廃棄処理まで対応するとは限らないため、契約前の確認が不可欠です。
一括契約か分離契約か|費用の内訳を必ず確認
撤去と廃棄の契約形態には、一括契約と分離契約の2パターンがあります。
| 契約タイプ | 内容 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 一括契約 | 撤去工事から廃棄処理まで一社で完結 | 手続きが簡単、責任の所在が明確 | 内訳が不透明になりやすい |
| 分離契約 | 撤去業者と廃棄業者を別々に手配 | 費用の透明性が高い | 手続きが煩雑、スケジュール調整が必要 |
住宅用太陽光パネルの費用相場
一般的な住宅用(3〜5kW程度)の場合、総額で15万〜40万円程度が目安とされています。
内訳の一例
- パネル撤去費:1枚あたり8,500〜20,000円
- 足場代:約20万円
- 廃棄処理費:別途見積もり
ただし、屋根材の種類や設置場所、処理方法によって大きく変動します。
トラブル事例|後から請求される処分費
実際に起きているトラブルとして、「撤去費用だけ聞いていたのに、後から廃棄費用を請求された」というケースがあります。
見積もりを依頼する際は、撤去・運搬・処分の3項目が明記されているかを必ず確認しましょう。
よくある誤解と法的リスク
誤解①「撤去すれば処分完了」
撤去工事が終わっても、取り外したパネルが適正に処理されなければ、排出事業者(所有者)の責任が残ります。
誤解②「粗大ごみとして出せる」
太陽光パネルは産業廃棄物であり、自治体の粗大ごみ回収では処理できません。
無許可の業者に引き渡したり、不法投棄に加担した場合、5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金が科される可能性があります。
誤解③「無料回収業者なら安心」
「無料で引き取ります」という業者の中には、産廃処理の許可を持たない違法業者も存在します。
業者選定時は、以下を確認してください。
- 産業廃棄物処理業の許可の有無
- マニフェストの発行・管理体制
- 見積もりの内訳が明確か
産業用(10kW以上)は廃棄費用の積立が義務化
なお、産業用太陽光発電設備(10kW以上)については、資源エネルギー庁により廃棄費用の事前積立制度が義務化されています。
住宅用は対象外ですが、将来的な制度拡大も視野に入れておくとよいでしょう。
まとめ:撤去と廃棄はセットで考える
太陽光パネルの撤去と廃棄は別の工程であり、別の費用が発生することを理解しておくことが重要です。
見積もり段階で、撤去・運搬・処分の費用内訳を明確にし、信頼できる業者を選ぶことで、トラブルを未然に防げます。
老朽化や建物の解体、FIT終了など、太陽光パネルを手放すタイミングが来た際には、この記事の内容を思い出して、適切な対応を心がけてください。

