「DIYで外せる?」太陽光パネルをセルフ撤去することの法律リスクと現実的な限界

「業者に頼むと高くつきそうだし、自分で外せれば節約できるのでは」

屋根の葺き替えやFIT買取期間の終了をきっかけに、太陽光パネルの撤去を考え始めた方の中には、DIYで自分で外せないかと調べた経験がある方も多いはずです。

ただ、住宅用の太陽光パネルをセルフで撤去するには、資格が必要な作業、処分方法、屋根の防水処理など、事前に確認すべき点がいくつもあります。「どこまでなら自分で確認できるのか」「どこからは専門業者に相談すべきか」を、ここから整理していきます。

太陽光パネルを自分で外すと法律違反になる可能性がある

配線作業は資格が必要になる場合がある

住宅に設置されている太陽光発電システムの多くは、電力会社の電力網とつながった系統連系型です。

このタイプのシステムでは、配線の取り外しや接続に資格や専門知識が必要になる場合があります。

つまり、配線の取り外しや接触を伴う作業を無資格で行うと、法令違反や事故につながるおそれがあります。

「自宅の設備だから所有者が自由に外せる」と思われがちですが、電気設備の工事は所有者であっても自由に扱えるとは限りません。

ポータブル電源向けの小型パネルなど、住宅設備とは別扱いになるものもあります。ただし、屋根に設置された一般的な住宅用パネルは、同じ感覚で扱わない方が安全です。

撤去したパネルは通常のごみとして捨てにくい

「外したパネルは粗大ごみで出せばいい」という認識は、大きな誤解です。

撤去された太陽光パネルは、家庭ごみや粗大ごみとは異なる扱いになることがあります。自治体のルールだけで処理できるとは限らないため、事前に確認が必要です。

処分方法を誤ると、法令違反や近隣トラブルにつながるおそれがあります。

処分を依頼する場合は、収集・運搬・処分に対応できる業者かどうか、処分に関する書類を発行してもらえるかを確認しておくと安心です。

「使っていないから安全」という思い込みが事故を招く

光が当たる限り、パネルは今も発電し続けている

FITの買取期間が終わった、または売電を停止したからといって、太陽光パネルが発電をやめるわけではありません。

光が当たる限りパネルは電気を発生させ続けます。 撤去中に配線に触れると、感電や発熱・発火につながるおそれがあります。

屋根上での作業は墜落・転落の危険も高く、足場の設置から安全装備の確保まで、専門的なノウハウが欠かせません。ネットで調べて真似しようとしても、現場ごとの構造の違いに対応するのは容易ではないのが実情です。

パネルを外した後の屋根から雨漏りが起きる

屋根上の太陽光パネルは、架台を固定するビスや金具が屋根材に打ち込まれています。

パネルと架台を取り外した後にビス穴を適切に防水処理しなければ、雨水が建物内部に侵入して雨漏りの原因になります。DIYではこの工程を正確に行うことが難しく、後から修繕が必要になるリスクがあります。

DIYで「できること」と「できないこと」の線引き

住宅用の太陽光パネル撤去で、自分でできる範囲と専門業者が必要な範囲を整理すると、以下のようになります。

作業内容DIY専門業者への依頼
パネルの清掃・目視点検条件次第で可対応可
配線の取り外し・接続資格や手順の確認が必要対応可
パネル・架台の撤去高所作業・屋根補修のリスクあり対応可
撤去後の屋根防水処理専門知識が必要対応可
パネルの廃棄・処分自治体・処理業者への確認が必要対応可

自分でできる作業は、パネル表面の清掃や目視での状態確認など、電気設備に直接触れない範囲に限られます。

配線の取り外し・パネルの撤去・廃棄については、資格や処分対応を確認できる専門業者に相談することが、法律面でも安全面でも現実的です。

なお、リースやPPAといった第三者所有型のシステムを契約している場合は、設備の所有権が事業者にあるため、DIYかどうか以前に契約内容の確認が必要です。勝手に撤去すると契約上の問題につながるおそれがあります。

まとめ:太陽光パネルのDIY撤去は慎重に判断する

住宅用の太陽光パネルをDIYで自分で外すことは、資格が必要な作業、処分方法、屋根工事の面から、慎重に判断する必要があります。

「費用を節約したい」という気持ちはもっともですが、工具や足場、処分、補修まで考えると、想定外の費用がかかることがあります。

それに加えて、感電事故・雨漏り・法令違反のリスクを自ら負うことになります。

専門業者に依頼するときは、配線作業や屋根補修、処分まで対応できるかを確認し、撤去費・足場費・処分費の内訳と処分に関する書類の発行対応を事前に確認することが大切です。複数社から見積もりを取り、内容を比べた上で判断してください。