台風や大雪のたびに、屋根の太陽光パネルが心配になる。実際に被害を受けた住宅のニュースを見ると「うちも撤去した方がいいのでは」と不安になる方も多いでしょう。
しかし、すべてのケースで撤去が必要というわけではありません。逆に、放置すると危険な状態もあります。
この記事では、台風や大雪による太陽光発電のリスクを整理し、撤去すべきか判断するための具体的なチェックポイントを解説します。
もくじ
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台風・大雪で太陽光発電に何が起きるのか
台風で多い被害パターン
台風による太陽光発電の被害は、パネル本体よりも架台の固定部分や配線系統から発生しやすい傾向があります。
NITEの事故報告によると、強風でパネルが飛散したり架台ごと倒壊する事例、浸水による漏電火災などが確認されています。特に施工不良や地形条件によって、被害規模が大きくなるケースが目立ちます。
大雪で注意すべきリスク
積雪の重みが設計想定を超えると、パネルだけでなく屋根そのものにも破損が生じます。
国土交通省の雪害報告書では、屋根の形状や風向きによって局所的に雪が積もり、偏った荷重がかかることで被害が拡大した実例が報告されています。
見過ごせない二次被害
破損したパネルや浸水した設備は、感電や火災のリスクが高まります。経済産業省やNITEも注意喚起を行っており、破損した設備での自立運転機能の使用は危険とされています。
撤去を検討すべき危険サイン
以下のような状態が複数当てはまる場合、撤去や大規模改修の検討段階に入っていると言えます。
- 架台や固定ボルトに明らかな劣化・サビ・ゆるみがある
- 台風や大雪のたびにパネルがずれる、異音がする
- 設置から15年以上経過し、設置当時の基準が現行より緩い
- 海沿いや山間部など風や雪の影響を強く受ける立地
- 屋根材自体が劣化しており、補強が難しい状態
- 近隣で同時期に設置した住宅が被害を受けた
NITEの事故事例や国土交通省の指摘では、設置年数だけでなく、構造部の劣化と立地リスクが重なる場合に深刻な被害が発生しやすいとされています。
補強で対応できるケースも多い
一方で、固定部分の補強や屋根の補修によってリスクを大幅に低減できる事例も少なくありません。
NEDOや太陽光発電協会(JPEA)のガイドラインでは、屋根構造に余力があれば補強による対策が有効と示されています。
具体的には、ボルトの締め直し、架台の追加固定、屋根材の交換などが該当します。撤去に比べて費用を抑えられる場合もあるため、まずは構造診断を受けることが重要です。
撤去判断の基本的な考え方
撤去すべきかどうかの最優先判断軸は、人身被害や第三者への危険性です。
民法上、建物や設備の所有者には工作物責任があり、管理不十分で事故が起きた場合は責任を問われる可能性があります。点検記録の有無も重要な判断材料となります。
維持する場合の条件
発電によるメリットと安全対策コストのバランスが取れており、定期点検を継続できる体制があることが前提です。
撤去する場合の注意点
太陽光発電を撤去しても、建物自体の台風・大雪リスクは残ります。屋根の改修を含めた総合的な判断が必要です。
また、撤去費用は立地・設備容量・屋根条件によって大きく異なり、廃棄費用や屋根の復旧費用も考慮する必要があります。
専門家への相談が判断の第一歩
判断に迷う場合は、構造・電気・屋根それぞれの専門家に相談することをおすすめします。
業界団体の資格を持つ業者を選び、診断内容や見積の内訳が明確かを確認しましょう。経済産業省やNITEのトラブル事例では、「撤去ありき」の提案をする業者も見られるため、複数の業者から意見を聞くことが重要です。
また、自然災害による被害は保険適用の可能性があります。事前に設備の写真や点検記録を残しておくと、保険請求時に役立ちます。
まとめ:人身被害や危険性を念頭に判断すること
台風や大雪による太陽光発電のリスクは、設備の状態と立地条件によって大きく異なります。
構造部の劣化や危険サインが複数見られる場合は撤去を検討する段階ですが、補強で対応できるケースも多くあります。
最も重要なのは、人身被害や第三者への危険性を最優先に考えること。定期点検を続け、専門家の診断を受けながら、維持・補強・撤去のどれが適切かを判断していきましょう。

