太陽光パネルの撤去や脱着を検討するとき、多くの方が見落としがちなのが「屋根保証がどうなるか」という問題です。
FIT(固定価格買取制度)の終了や設備の老朽化、屋根リフォームなどで太陽光パネルの撤去が必要になるケースが増えていますが、撤去工事によって既存の屋根保証が失効してしまうリスクがあることをご存じでしょうか。
この記事では、太陽光パネル撤去時に屋根保証を失わないために知っておくべきメーカー保証・施工保証の仕組みと、確認すべき書面、業者への具体的な質問例を解説します。
もくじ
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太陽光パネル撤去で屋根保証はどうなる?基本の仕組み
屋根の保証は、実は複数の保証が重なって成り立っていることが一般的です。
新築住宅の場合、構造や雨水侵入に関わる部分には原則10年の瑕疵担保責任が法律で定められています。さらに、住宅メーカーやリフォーム業者が独自に設定する保証、屋根材メーカーの製品保証など、複数の保証が別枠で存在しています。
一方、太陽光発電システムにもメーカー保証(製品保証・出力保証)と施工保証があります。
問題は、撤去や脱着工事が「第三者による工事」とみなされ、これらの保証の免責条項に該当してしまうことです。
多くの保証規定には「増改築・改造・第三者工事を行った場合は保証対象外」といった条項が含まれており、太陽光パネルの撤去がこれに該当するかどうかが、保証維持の分かれ目になります。
撤去時の「保証失効リスク」はどこに潜んでいる?
太陽光パネルの撤去・脱着で最も注意すべきは、工事品質と保証の空白です。
工事品質による雨漏りリスク
太陽光パネルを屋根に設置する際、架台を固定するためにビスで屋根材に穴を開けます。撤去時にはこのビス穴を適切に防水処理しなければ、雨漏りの原因になります。
メーカーによると、ビス穴や貫通部の処理不良による漏水事例は実際に報告されています。屋根の勾配や積雪地域などの条件によって、このリスクはさらに高まります。
保証・保険の適用漏れ
もし撤去工事後に雨漏りが発生した場合、以下のような「保証の空白」が生じる可能性があります。
- 住宅メーカーの保証(第三者工事を理由に免責)
- 太陽光メーカーの保証(撤去工事は対象外)
- 施工業者の保証(契約範囲外として拒否)
この結果、誰も責任を取らず、すべて自己負担で修理という最悪の事態も起こりえます。
自然災害による損傷なのか、施工不良なのかの区別も重要です。この判断が曖昧だと、火災保険も住宅瑕疵保険も適用されないケースがあります。
保証を守るために確認すべき書面とポイント
太陽光パネル撤去を検討する際、まず確認すべきは以下の書面です。
確認すべき書面
- 住宅の保証書(新築時・リフォーム時)
- 太陽光システムのメーカー保証書
- 太陽光設置時の施工保証書
- 屋根材メーカーの保証書(ある場合)
チェックすべき重要項目
これらの書面で必ず確認すべきは、免責事項と第三者工事条項です。
具体的には以下の点をチェックしてください。
- 「第三者による工事・改造」が保証対象外とされているか
- 「増改築・移設」が免責条項に含まれているか
- 保証を維持するための「指定工事店」要件があるか
- 撤去後の防水処理に関する規定はどうなっているか
メーカーや業者によって文言は異なりますが、保証が継続される条件が明記されているかを確認することが最も重要です。
また、撤去を依頼する業者が加入している施工保証・瑕疵保険・賠償保険の有無と内容も確認しましょう。これらが重なることで、万が一のトラブル時のリスクが大幅に軽減されます。
業者選びで押さえるべき質問例
撤去業者を選ぶ際、以下の質問を事前に確認することで、保証を失うリスクを大きく下げることができます。
元の住宅会社・太陽光設置業者への質問
- 「撤去工事を他社に依頼した場合、屋根保証はどうなりますか?」
- 「保証を維持するには、指定工事店での施工が必要ですか?」
- 「撤去後の防水処理について、保証規定で指定はありますか?」
撤去業者への質問
- 「施工後の保証内容と保証期間を教えてください」
- 「施工保証・瑕疵保険・賠償保険に加入していますか?」
- 「ビス穴の防水処理はどのような方法で行いますか?」
- 「見積もりに含まれる作業範囲と、追加費用が発生する条件を明記してもらえますか?」
- 「撤去後に雨漏りが発生した場合の責任範囲はどこまでですか?」
これらの質問に対して、書面で明確な回答を得ることが重要です。口頭だけの約束では、後々トラブルになった際に証拠が残りません。
業者選定では、元の住宅会社や太陽光設置業者への事前相談を優先することをお勧めします。保証条件に「指定工事店」要件が含まれている場合、勝手に別業者に依頼すると保証が失効する可能性があるためです。
まとめ:撤去前の確認が保証維持の鍵
太陽光パネルの撤去は、単なる設備の取り外しではなく、屋根保証全体に影響を及ぼす重要な工事です。
撤去を検討する際は、まず既存の保証書類をすべて確認し、免責条項と第三者工事の扱いを把握してください。そのうえで、元の住宅会社や設置業者に相談し、保証を維持できる方法を確認することが最も確実です。
業者選びでは、保証内容・保険加入・防水処理の方法を書面で明示してもらい、万が一のトラブル時の責任範囲を明確にしておきましょう。
事前の確認と準備が、将来の高額な修理費用を防ぎ、安心して太陽光パネルの撤去を進めるための最大の保険となります。

