屋根のメンテナンスや改修を検討する際、太陽光パネルが載っているとどうしても気になるのが「撤去が必要なのか」という問題です。
結論から言えば、工事の種類によって撤去の要否は大きく変わります。
この記事では、屋根工事と太陽光パネルの関係を整理し、費用相場や実際の手順まで分かりやすく解説します。
もくじ
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屋根工事の種類で変わる撤去の要否
まず押さえておきたいのは、すべての屋根工事でパネル撤去が必須というわけではない点です。工事内容によって対応が異なります。
屋根塗装の場合
屋根塗装では、パネルの下や周辺を塗装する必要があるかどうかで判断が分かれます。
一般的に、パネル設置箇所以外を塗装するだけなら、一時撤去せずに作業できるケースもあります。ただし、パネル下の屋根材も含めて全面塗装したい場合や、架台の固定部分を点検・補修したい場合は、脱着作業が必要です。
カバー工法・葺き替えの場合
カバー工法や葺き替えでは、原則として太陽光パネルの脱着が必須です。
これらの工事では既存の屋根材を撤去したり、上から新しい屋根材を重ねたりするため、架台や固定金具が干渉します。メーカーや専門業者によると、全面改修の場合はパネルを外さずに作業を進めることは困難とされています。
撤去後の選択肢|再設置か完全撤去か
太陽光パネルを一度外した後、再び設置するか完全に撤去するかは重要な判断です。
再設置を選ぶ場合、脱着費用と再設置費用がかかります。さらに、パネルや架台の残り寿命を考慮する必要があります。太陽光設備の寿命は一般的に20〜30年とされ、2010年前後に導入した設備はすでに更新時期に差し掛かっています。発電効率も年々低下するため、残り寿命が短い場合は再設置しても採算が合わないケースがあります。
一方、完全撤去を選ぶ場合、屋根のメンテナンス性は向上します。雨漏りリスクや設備トラブルの心配が減る反面、発電による電気代削減や売電収入は失われます。
費用相場と実際の手順
一般的な費用の目安
住宅用太陽光パネル(約20枚程度)の脱着・撤去にかかる費用は、10〜15万円程度が相場です。
内訳は以下の通りです。
- 撤去作業:約2,500円/枚
- 処分費用:約4,000円/枚
- 再設置する場合:約4,000円/枚
- 金具交換:約4,000円/枚
ただし、これに加えて足場代やクレーン費用が別途発生するケースが多いため、事前に見積もりで確認が必要です。地域や業者によっても価格差があります。
作業の流れと工期
太陽光パネルの撤去作業そのものは、1日から数日程度で完了します。
実際の手順は以下の通りです。
- 現地調査・見積もり
- 足場設置
- 配線の安全処理
- パネル・架台の取り外し
- 運搬・処分またはリサイクル
全体の工期は、足場の設置期間や天候に左右されます。また、近隣への配慮や天候待ちで延びる可能性もあるため、余裕を持ったスケジュールを組むことをおすすめします。
業者選びで失敗しないために
太陽光パネルの撤去・脱着では、屋根工事と電気設備の両方に対応できる業者を選ぶことが重要です。
確認すべきポイントは次の通りです。
- 電気工事士の資格を持っているか
- 産業廃棄物の適正処理許可を取得しているか
- 屋根工事と太陽光設備を一括で対応できるか
環境省や資源エネルギー庁のガイドラインでも、こうした資格・許可の重要性が示されています。無資格の業者に依頼すると、配線の誤処理による火災リスクや、穴埋め不良による雨漏りなどのトラブルが発生する可能性があります。
価格だけで判断せず、実績や資格をしっかり確認しましょう。
また、FIT認定を受けている設備を撤去・停止する場合は、資源エネルギー庁への届出が必要です。無届けで撤去すると制度上の問題になる可能性があるため、業者に手続きの代行が可能か確認しておくと安心です。
まとめ:工事内容と設備寿命で判断を
屋根工事で太陽光パネルの撤去が必須かどうかは、工事の種類と設備の状態によって変わります。
屋根塗装なら条件次第で撤去不要なケースもありますが、カバー工法や葺き替えでは原則として脱着が必要です。費用は10〜15万円程度が目安ですが、足場代などが別途かかります。
再設置するか完全撤去するかは、パネルの残り寿命や発電効率、今後の収支を総合的に判断しましょう。業者選びでは資格や実績を重視し、安全で適正な施工を依頼することが大切です。

